豆知識

剣道具に関する知っていると自慢できる
豆知識をご紹介!

布団について

布団は、手刺とミシン刺があります。手刺は仕込み上げた布団に線引きをし、手で刺し上げるものです。ミシン刺には、下記の種類があります。

普通刺

通常はこの刺し方が多く、家庭用ミシンに見られるような比較的針足を短く刺し上げたものです。

ピッチ刺

針足を長く刺し上げます。布団に柔らかさと手刺の風合いがあります。

斜め刺

固めの布団を耳元から下方向に斜めに刺すことにより、折り曲げの自由が増し、使いやすくなります。

十字刺

通常、ミシン刺は一方向にしか縫い上げませんが、十字に刺すことにより、ピッチ刺より手刺の風合いがあります。

生地について

紺反

藍染の生地のことを指します。

織刺

藍染生地に太目の藍染糸を縫いこんで織るものです。
※剣道着の生地と同じ織り方

面について

面の部分には、面金・突き垂・天地・内輪・用心垂・面布団があります。突き垂は、通常牛革クロームか鹿皮で、天地・内輪・用心垂は、紺木綿かビロードで出来、面布団は、紺木綿に刺子生地か紺木綿に鹿皮で、その中身は、白綿かフェルト、芯材には、純毛毛布や毛氈の入った品もあり、手縫かミシン縫で刺してあります。仕立ての工程は、通常面金の台に、通気性の良い稲藁を麻紐で肌巻きし、突き垂を顎巻革で取り付け、次に面金側に面ぶち革を、続いて天地、内輪、用心垂を、最後に面布団を取り付け、面布団側に残った面ぶち革を綴じて、面ぶちをカシューか漆で塗り上げます。

以上のように、通気性や安全性に心配りをしていますが、突き垂は一番最初に取り付けられていますので、大事に扱わないと痛み具合によっては、全部取り外さなくてはならなくなることもあります。また、面を付けたり、はずしたりする時は、突き垂を持たないよう注意して取り扱って下さい。決して突き垂を持って振り回したり、折り曲げたりしないで下さい。尚、革類は水分に弱く変形する恐れがありますので手入れは充分に、風通しの良い日陰等に干して乾燥させて下さい。

胴(胴胸)について

胴胸の芯材には、毛布・フェルト・綿を使用し表革と裏革を合わせて、飾り糸で雲飾り等を入れます。刺しの部分には、詰(ベタ)刺し・蜀紅(しょっこう)等を入れた高級品もあります。

胴(胴台)について

胴台は、竹に和牛あるいは水牛の生皮を貼った革胴、紙製のファイバー胴・プラスチック系の胴等があります。革胴の場合、裏竹の本数により一般的に43本立・50本立・60本立等の種類があります。竹を曲げ、琴糸で結び合わせ、和牛あるいは水牛の生皮を貼り、表裏ともに漆あるいはカシュー塗料を塗って仕上げてあります。昔は、殆どが呂色(黒)塗りでしたが、現在では多種類の特殊塗りがあります。裏側は朱塗りが一般的です。

小手について

小手には、小手頭・けら・手の内・筒と小手布団があり、小手布団部分と小手頭・筒で結合させて作ります。小手頭の中身には、鹿の毛か化学綿が入っており、使い込むと抜け出て少なくなったり、中身が移動したり、綿がつぶれたりして小手頭が薄くなったりします。この場合には、必ず専門店にご相談下さい。けらは、1段か2段で仕立て(小中学生用ではないものもあります)筒を作ります。また手の内には茶か白の鹿革、あるいは合成皮革を使います。小手布団は、手縫かミシン縫で刺し、2本の小手紐にて編んでおります。

垂について

垂には大垂・小垂・前帯・垂ひも(垂帯び)があり、通常芯に白綿とフェルト芯材を使い、大垂・小垂のヘリを紺鹿革等で付け、飾り等を入れて帯と結合します。刺しには、手縫とミシン縫がありますが、あまり硬くなく適当にやわらかさがあるものをおすすめします。

道具袋について

道具袋は運ぶためのものであり、しまっておくものではありません。仕方なくしまっておく時は、カビさせないよう、乾燥剤等を入れ湿気対策を行って下さい。また、時々剣道具を取り出し、お手入れに心掛けて下さい。

竹刀について

竹刀は竹か、全日本剣道連盟が認めた竹に代わる化学製品を使用して作ったものが、竹刀として認められています。この竹に代わる化学製品というのはカーボンのことで、カーボンを使った竹刀は、カーボン竹刀と呼ばれています。竹刀の構造も決められていて、四つ割りで、中に異物が入っていないものとされています。

一刀の場合

中学生

長さ(男女共通):114cm以下
重さ:男性440g以上、女性400g以上

高校生

長さ(男女共通):117cm以下
重さ:男性480g以上 、女性420g以上

大学生、一般

長さ(男女共通):120cm以下
重さ:男性510g以上 、女性440g以上

二刀の場合

大刀の長さ(男女共通):114cm以下
太刀の重さ:男性440g以上 、女性400g以上
小刀の長さ:(男女共通)62cm以下
小刀の重さ:男性280~300g、女性250~280g

剣道衣

剣道の服装は剣道衣・袴よりなり、この服装は昔の鎧下着と同様に活動しやすく丈夫にできております。少年用は白地に黒糸刺(六三四刺)に紺袴の姿が一般的であり、有段者は二重刺または総手刺の稽古着に、袴は厚地の木綿仕立てのものが多く着用されております。

袴について

袴は古墳時代、男子が着用していた衣褌が袴の起源とされています。袴はその後変遷を経て、奈良時代以後に唐風をとり入れた表袴がつくられ、中世以後は細い四幅袴、近世初期には長袴が好まれ、元禄時代になって現代剣道その他の武道に用いられている馬乗袴が生まれました。
袴には前に五本の襞がありますが、これは先人が日常の心掛けとして「五倫五常の道を訓したもの」とされています。すなわち、「君臣・父子・夫妻・長幼・朋友」「仁・義・礼・智・信」などの道を、袴をはく度に頭に浮かべ、心に刻むようにつくられたものといいます。折目正しいという言葉も、そこから生まれたと解されています。また、後ろの一本の襞は男子として二心のない誠の道を示したものです。

袴の種類

表(うえ)袴、大口(おおくち)袴、指貫(さしぬき)袴、狩衣(かりぎぬ)袴、四幅(よの)袴、長(なが)袴、小(こ)袴、半(はん)袴、平(ひら)袴、野(の)袴、裁付(たつけ)、行灯(あんどん)袴、馬乗(うまのり)袴

用語集

自分にぴったりな防具を見つけるには、知識も大切。
ここでは剣道防具の名称や、剣道具で使われる素材などの用語を解説いたします。
剣道具の素材は特殊なものが多く、その全てに理由があります。
それらは古くから使われている先人の知恵から、最新の技術によって造り出された化学素材まであります。

真竹(まだけ)

日本自生とも言われる竹の一種。別名苦竹(ニガタケ)唐竹(カラタケ)とも呼ばれます。
高級な竹刀に使われます。肉が厚く弾力性があり曲げや圧力に対する抵抗性が強く、打突時の独特の感触は真竹ならではです。

桂竹(けいちく)

真竹科の竹。現在使用されている竹刀の多くがこの桂竹です。
真竹に比べ安価で繊維が硬く長持ちします。

吟革・床革(ぎんがわ・とこがわ)

「吟」とも「銀」とも言われ語源ははっきりしません。革の表面を吟といい、吟を剥がしたあとの裏一枚皮を床革と呼びます。
一般的に上等品には吟革を使い、普及品には床革を使います。吟革は表がつるつるしており、裏はしっとりザラザラしてます。
竹刀の柄革・先革がザラザラしているのは牛の吟革の裏皮を表にしているからです。

漆(うるし)

非常に優れた日本古来の天然の塗料で年月が経つほど色艶が出てきます。
また、硬化すると非常に丈夫な皮膜となり接着剤としても優れている為、胴台や面縁に塗られています。

生革(きがわ・なまがわ)

牛の皮を乾燥させ「すいた」もの。水分を含むと柔らかくなり加工し易くなる。
また、乾燥すると非常に硬くなり丈夫な為、剣道の面縁・胴台に使用されています。

シルリード

吸汗性と通気性に優れた盛夏用の裏地の事で、極めて高い通気性を持ち吸水性も備えているので汗を良く吸いすばやく発散します。
面の内輪の他甲手の内側に使われる事も多いです。

別珍(べっちん)

綿ビロードとも呼ばれ綿を横ビロード織りした織物。
毛羽(けば)を表面に出すことで手触りがやわらかく厚手の光沢のある布地。面の内輪に使います。

フェルト

毛のからみあう性質を利用して、羊毛などの毛を縮絨させて固めたもの。
防具の布団の芯材として使用されています。

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